awsとは何か?バックアップやAIなどの運用の方法も解説

クラウドコンピュータの一種である、「Amazon Web Services(aws)」は世界中で利用されているサービスです。一方で、「クラウドコンピュータそのものが分からない」「どうやって運用するのか」といった疑問を抱いている人も多いでしょう。

この記事では、awsの概要から、利用するメリット、データのバックアップなどの運用方法などを解説していきます。

awsは便利なクラウドコンピュータとして支持されている

そもそもクラウドコンピュータとは、インターネットを介して、コンピュータの機能を利用できるサービスです。インターネットに接続し、サービスに登録していれば、ソフトウェアやデータベース、ストレージなどの機能を使えます。

クラウドコンピュータは自社でサーバーを構築するよりも、コストを削減できる仕組みです。さらに、サーバーを自社管理する手間を省け、専門的なエンジニアやプログラマーがいなくても、サービスを運用可能です。基本的には、awsもクラウドコンピュータとして支持されてきました。

2006年にawsが提供開始されると、世界中の企業がサービスを利用するようになります。2017年には、全世界でのユーザー数が100万人を突破しました。

日本でも数十万人のユーザーがawsを使っており、世界でもっとも知名度の高いクラウドコンピュータだといえるでしょう。ガートナー発行のマジック・クアドラントのクラウドインフラストラクチャとプラットフォームサービスにおいても、2021年時点で、awsが11年連続のリーダーに選出されています。

awsの魅力は?世界中で愛されている5つのメリットを紹介

まず、第一のメリットは「コストの安さ」です。awsは他のクラウドコンピュータと比べても、安価で導入できます。2021年にはさらなる値下げがなされて、多くのユーザーがより使いやすいサービスになりました。第二に、awsは「機能が多い」ことでも有名です。

データのバックアップやセキュリティ対策、AmazonのAI利用など、awsはビジネスの可能性を広げるクラウドコンピュータだといえるでしょう。第三に、awsは「拡張性が高い」ことでも知られています。運用を開始してから、CPUやメモリーをすみやかに増設できます。

第四のメリットは「セキュリティ機能の充実」です。awsではユーザーの認証機能をはじめとした、最新のセキュリティが常にアップデートされています。クラウドコンピュータの中でも、awsの堅牢度は高くなっています。

そして第五に、「管理のしやすさ」です。awsは感覚的に操作できるほど、画面が見やすくなっています。機能のアップデートも自動で行われていくので、管理者に負担がかかりません。インターネットやシステムについて、詳しくない企業が初めて導入するクラウドコンピュータとしてぴったりです。

awsにも注意点はある?事前に押さえたい3つのデメリット

使い方によっては、awsにデメリットを感じるケースもありえます。たとえば、「従量制の課金」を「もったいない」と感じるユーザーもいるでしょう。awsはいわゆるサブスクリプションではなく、使った頻度に応じて課金されていきます。

つまり、頻繁にサービスを利用していると、コストが高くなってしまう可能性もあるのです。次に、「すべての機能を使いこなすのは難しい」のもデメリットです。awsには膨大な機能が備わっています。そのため、導入しても使わない機能が出てくることは珍しくありません。

ネットリテラシーの低いユーザーは特に、使いこなしている感覚を得にくいのです。次に、「トラブル対策が必須」であることです。これはクラウドコンピュータ全般にあてはまるデメリットではあるものの、awsはインフラを提供しているだけなので、トラブル対応までは受け付けていません。

仮にサービスの運用に関して深刻なトラブルが発生しても、自社で対策を考える必要があります。

awsでよく使われている機能は?代表的なサービスを紹介

多くのユーザーが利用しているサービスは、「Amazon Elastic Compute Cloud」、略して「Amazon EC2」です。Amazon EC2は仮設のサーバーであり、クラウド上でのみ利用可能です。

ユーザーは必要なときに必要なだけAmazon EC2を利用できます。従量課金制により、使った分だけのコストだけ払う仕組みです。たとえば、繁忙期で顧客からの問い合わせが殺到したときだけ、Amazon EC2を利用すれば低コストで自社システムを強化できます。

次に、ストレージの「Amazon S3」も代表的なサービスだといえるでしょう。Amazon S3はバックアップに利用されている機能であり、複数のシステムのデータを同時に管理できます。つまり、あるデータを別の分析システムにまわしたいときなどに便利です。

そして、「Amazon RDS」も人気のサービスです。Amazon RDSはデータべースサービスであり、自動的にバックアップをとったり、膨大なデータを構築したりするときに便利です。OSをインストールせずすぐ使えるので、わずらわしい初期設定から逃れられるのもメリットでしょう。

そのほか、クラウドでプログラムの実行環境を整えられる「AWS Lambda」も支持されてきました。AWS Lambraは100万リクエストまで無料であり、コスト削減にも使えます。

どうしてawsはクラウドコンピュータのトップでいられるのか

一番の理由は、MicrosoftやIBMの戦略ミスだとされています。90年代からゼロ年代にかけて、MicrosoftやIBMはクラウドコンピュータの成長速度を軽視していました。そのため、クラウドコンピュータ市場に積極的な介入を見せなかったのです。

一方で、Amazonはクラウドサービスが世界中で広がる未来を予見していました。

結果的にAmazonがクラウドコンピュータ市場を独走する状態となり、出遅れた他社は差をつけられてしまったのです。aws発表当時にAmazonが得た市場でのアドバンテージは長く継続しているといえるでしょう。

実際にawsが広く普及してしまうと、他社が参入する余地はあまり残っていませんでした。すでにawsの使いやすさを知った企業には、他社サービスに乗り換える必然性がなかったからです。それに、Amazonは競合がクラウドコンピュータを軽視している間、自社サービスの改良に努めていました。

そして、awsは豊富な機能を備えた、汎用性の高いサービスに成長していきます。「業界トップ」というブランドイメージもあいまって、awsの地位は固いものとなっています。

awsは企業の仕事を多角的にサポートするクラウドコンピュータ

クラウドコンピュータのトップを走り続けるawsは、多角的な機能が最大の魅力です。バックアップからセキュリティ管理にいたるまで、企業の仕事をawsは広く支えてきました。そうやって集めてきた信頼が、ますますシェア率の拡大に貢献しています。

従量課金システムで導入しやすいのも、ライバルに差をつけられた要因だといえるでしょう。